彼を抱きしめると、俺はこの世のすべてを手に入れたような気がした。光と影が渦巻く大都市ソウル。最低賃金のバイトをしながら、くずみたいな文章を書きなぐって暮らす〈俺〉は、どれだけ派手に遊んでも、消せない孤独を抱えている。そんな日々のなか、梨泰院(イテウォン)のクラブでバーテンダーとして働くギュホと出会い、愛を分かちあう。しかし〈俺〉には、人に言えない〝秘密〟がある……。(「大都会の愛し方」)喧騒と寂しさにあふれる大都会で繰り広げられる多様な愛の形。さまざまに交差する出会いと別れを切なく軽快に描く。韓国で新時代の文学として大きな話題を呼んだベストセラー連作小説。【もくじ】・ジェヒ・メバル一切れ宇宙の味・大都会の愛し方・遅い雨季のバカンス・あとがき・訳者あとがき