2018年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉に選出、第51回韓国日報文学賞受賞作!十六の夏に出会ったイギョンとスイ。はじまりは小さなアクシデントからだった。ふたりで過ごす時間のすべてが幸せだった。でも、そう言葉にすると上辺だけ取り繕った噓のように……。(「あの夏」) 二度と会えなくなった友人、傷つき傷つけた恋人との別れ、弱きものにむけられた暴力……。誰も傷つけたりしないと信じていた。苦痛を与える人になりたくなかった。……だけど、あの頃の私は、まだ何も分かっていなかった。あのとき言葉にできなかった想いがさまざまにあふれ出る。もし時間を戻せるなら、あの瞬間に……。 韓国文学の〈新しい魅力〉チェ・ウニョン、待望の最新短編集。第8回若い作家賞受賞作「あの夏」を含む、珠玉の7作品を収録。 【目次】・日本の読者のみなさんへ・あの夏・六〇一、六〇二・過ぎゆく夜・砂の家・告白・差しのべる手・アーチディにて・あとがき・訳者あとがき