孤独をもたらす耳の不自由に対処する方法高齢者の健康問題でいちばん多いのは耳の不調・難聴。65歳以上の3人に1人が耳に問題を抱えている。実は見えないことより聞こえないことのほうがつらいもの。何度も聞き返すもどかしさ、聞き違い・聞き落としのために生じるトラブル。周囲の会話がわからないのにわかったふりをしてうなずくむなしさ。そんなつらさを理解してもらえない絶望感……。耳の不自由は圧倒的に孤独なのだ。耳鳴りもまたつらく、ひどい人だと「頭の中で蝉が1000匹鳴いている」と表現するほど。本書はこうした難聴・耳鳴りのメカニズムと新たな補聴器のリハビリ治療法などを解説するとともに、その苦しみをどう乗り越えるかという心理的なケアも語っている。誰もがなんらかの難聴遺伝子を持っており、加齢とともに聞こえが悪くなるのは避けられない。老いと闘うアンチエイジングから、老いを受け入れて共存していくウィズエイジングへ――。耳の不調を上手に乗り越える方法を明らかにする。