神秘と技術と才能が生まれる場所、諏訪。——多くの仕事や人が、どうしてこの地から生まれたのか? 長野県の諏訪は、諏訪湖を中心に八ヶ岳や霧ヶ峰も含む広大な地域。諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナが交わるところ。まわりには縄文の時代から人が暮らし、諏訪信仰がいまも息づく。江戸時代の繰越汐による新田開発、近代に入ると片倉製糸が栄華を極め、その後、東洋のスイスと言われるほど、精密機械の会社が数多く興った。セイコーエプソン、ハリウッド化粧品、ヨドバシカメラ、すかいらーく、ポテトチップスの湖池屋、岩波茂雄、島木赤彦、新田次郎、武井武雄、伊東豊雄…… 。多くの仕事や人は、どのように生まれたのだろうか。ただならぬ場所、諏訪の地力を、丹念な取材で掘り起こす歴史ノンフィクション。【目次】第一章 シルクエンペラーと東洋のスイス——近代ものづくり編第二章 ゴタたちが編んだ出版ネットワーク——近代人づくり編第三章 〝空〟なる諏訪湖の求心力——土地となりわい編第四章 人と風土が織りなす地平——科学と風土編