弱さを肯定するところから、生まれるもの——強くあるために勇気を振り絞ろうとする。だが、そうやって強がろうとしても、勇気は湧いてこない。勇気は自分の「弱さ」と向き合いつつ、大切な人のことを思ったとき、どこかから湧出してくる——。弱さを克服し、強くなることが善とされてきたが、それは本当だろうか?自分と他者の弱さを見つめ、受け入れることから、信頼やつながりを育む真の強さが生まれるのではないか?現代に鋭い問いを投げかけ続ける批評家が、危機の時代を生き抜くための叡智を、やさしく語る。【目次】はじめに1・天耳(てんに)・弱い自分・おそれと向き合う・弱さに学ぶ・見えないものの復興・賢者と「時」の感覚・無常と情愛2・言葉のともしび・遅れてきた新学期・「弱さ」において「つながる」社会・弱さの彼方にある光——敬意と愛と正義・闇を照らす言葉3・いのちを守る・いのちと経済をつなぐもの・愛に渇く・言葉に渇く・言葉の護符・仕事おわりに