1990年代半ばから普及し始めたデジタルカメラ。今や、「カメラといえばデジタルカメラ」というほどに浸透していますが、写真は長い間、フィルムや印画紙をベースとした銀塩写真のシステムで成り立っていました。 この銀塩写真のシステムはインターネットなどのデジタルの世界における活用には馴染みにくいものの、多くの写真愛好家がフィルムに記録されている情報を将来に向けてデジタルデータとして残したい、活用したいと思っていることでしょう。 その一方で、デジタルカメラから初めて写真を楽しむことを経験した方が、フィルムを用いた表現に惹かれているというような話も聞かれるようになりました。フィルムが、過去の貴重な画像遺産として存在しているだけでなく、新しい表現の手段としても利用されています。 そのような中、ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D850」にネガフィルムデジタイズという機能が搭載されました。単にフィルムをデジタル化するだけではなく、処理が難しかったネガフィルムの色や階調の反転などをカメラがやってくれるようになったことで、全体の作業が格段に楽になりました。 本書は、フィルムカメラで撮影されたフィルムを、デジタルカメラを用いてデジタイズする方法を紹介した一冊です。ニコンD850のネガフィルムデジタイズ機能に加え、ソフトウェアを使用したネガポジ変換もわかりやすく説明しています。これからフィルムデジタイズを楽しみたい人におすすめの解説書です。