「三層には『竜』が出るらしい」。死した人間が魔物となる地下ダンジョンで深層を目指すシオンは、かつての仲間を失った因縁の地『偽竜鱗湖(ディスドラグレイク)』に流れる噂を耳にする。その真偽を確かめるべく、シオンとその一行はグランドギルドが高ランク冒険者に依頼した『特異調査』に帯同することに。共に行動する「喪心傀儡(マリオネット)」クレアドールの圧倒的な戦力で、瞬く間に三層を進んでいくシオン達。だが――竜の前では無力だった。竜は、いた。絶体絶命の邂逅。しかし竜は襲ってくることもなく、シオンを見つめていた。青く綺麗な、宝石のような瞳。それはまるで――。これは、若き冒険者達の恋と願いの物語。