王族の血を引きながらも近衛隊に所属するアルヴィスは、突如として国王陛下に呼び出され、名門公爵令嬢エリナとの婚約を告げられる。王太子ジラルドの婚約者であったはずの彼女は、学園の創立記念パーティーにて、一方的に彼から婚約破棄を宣言されてしまったのだという。事態を重く見た国王は王太子を廃嫡し、アルヴィスは王族に戻ることに。エリナとの顔合わせを済ませたのち、政略だとしても今度は互いを知りたいという、彼女の願いに応えることを決めたアルヴィス。お忍びの城下町デートや、生誕祭のパーティーを重ねるうちに、健気な振る舞いや、二人きりのときに年相応の表情を見せるエリナの姿を知り、アルヴィスの気持ちも動きだす。ゆっくりと、だけど着実に互いを知っていくふたりの距離は少しずつ近づいて――。これはとある王国のお話。ふたりが恋を知り、愛を育んでいく物語。