コンピュータが支配する自動管制文明は、人間の生気を奪い、4Dフィルム“イマジネーター”による疑似世界に引き籠もらせることで、治安の維持を図っていた。人気番組を抱えるイマジネーター社の制作担当プロデューサー大村は、イマジネーターによる不法なブルー・フィルム制作の嫌疑をかけられる。それは、メガロポリスを支配するAIコンピューターの“意志”の発動と関わっていたのだった。仮想空間に耽溺する人類の近未来を予見する、巨匠平井和正のSF処女長編作品。〔1968年発表〕イラストレーション:生頼範義解説:荒巻義雄