※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。家から遠い。時間が長い。料金が高い。ニッポン中のゴルフ場が苦戦をしている。「それに比べるとスループレーのアメリカは…… 」「どうせだったら開放的な海外リゾートへ…… 」という声に過剰反応し、ニッポンにある多くのゴルフ場で「アメリカ化」、「簡略化」が進んでいる。ゴルフが気軽で手軽で身近なものになっていく。もちろん裾野が広がるのは喜ばしい流れではある。しかし、それと同時に、ある懸念に駆られる。「ニッポンのゴルフのよさが失われているではないか」ニッポンのカレーを食べて、「こんなのは紛い物だ! 本場インドとは違う! ! 」と講釈を垂れる人はいないだろう。確かに本場とは異なるが、日本の気候や日本人の趣味嗜好に合わせて独自の進化を遂げたニッポンのカレー。ゴルフもある種、似たような側面があるのではないかと。ニッポンのゴルフには、ニッポンのよさがある。手軽なスポーツになるのはよいことだが、たとえば9人対9人の野球がなくなり、どこでもできるキャッチボールだけになってはいけないのだ。思うに、ニッポンのゴルフらしさは、じっくりと時間をかけるという点にあるのかもしれない。カップにボールを入れることは、ゴルフの楽しみのほんの一部に過ぎない。名門倶楽部のメンバーたちが、ゴルフよりもむしろクラブライフを愉しんでいたことからもわかるように、ゴルフにかかわる時間すべてがゴルフの楽しみだ。そういう意味では、ゴルフをテーマに旅をすることが、ニッポンらしくゴルフを楽しむための一策なのかもしれないと思うのだ。(本誌プロローグより)※本誌は独自取材をしたものをベースに、『トリコガイド伊勢志摩』、『別冊Disocover Japan ニッポンのリゾート&名宿』の写真を一部加えて編集したものです。※デジタル版は、紙の雑誌とは内容が一部異なり、表紙画像や目次に掲載している記事、画像、広告、付録が含まれない場合があります。また、本誌掲載の情報は、原則として奥付に表記している発行時のものです。※2019年1月まで、「エイ出版社」名義で配信していたものと同一の雑誌です。