人は誰でも死ぬときに思うはずだ――死にたくない。それが寿命ではなく、不慮の事故や事件に巻き込まれての死ならなおさら。一人の青年が日本で通り魔に襲われて不遇の死を迎えてしまう。他人より善行を積んでいた彼は普通なら来世へと輪廻転生する。しかし、本人の知らないところで死神から余計な加護を付けられてしまい、異世界へと転生することに。加護を付けられた男は“アレク”として第二の人生を歩む――はずが、今度は十三歳で盗賊団に殺され、あっけなく人生の幕を閉じてしまう。加護のおかげで生き返るも、望まぬ不死の身体に。二度も理不尽な死を経験した少年アレクは、不死の身体を活かして理不尽に抗うための力を求めて生きることを決意する。死にたく無いと願った男が不死となり、何を願い、望むのか……。