※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。厚生労働省児童福祉文化賞受賞作品【フルカラー369ページ6作品収録】『笠地蔵』ある年の大晦日、貧しい男は女房が作った麻を売りに行きました。けれど麻は売れず、五つの笠と取り換えることに。その帰り道、雪の中に立つ地蔵の姿に、男は「笠が要るのは地蔵さまだ」と、自分のかぶっていた手拭いもあわせて地蔵さまにかぶせてあげました。そして手ぶらで戻った男を、女房は温かく迎えました。その夜、物音がして夫婦が表に出てみると、戸口に餅や野菜などの詰まった袋が置いてありました。『カッパとわらぞうり』あかぎれが出来やすいからと、決して足袋を脱ごうとしない優しく美しい女房。その正体は、人間の世界にあこがれたカッパだった。正体を知られた女房は、生まれたばかりの子供を残し、水の世界へとかえっていく。父親のもとで子どもは元気に育つが…。『そら豆とわらと炭』お婆さんの台所から、そら豆とわらと炭が、ころころと庭に転がっていった。そら豆とわらと炭は、いっしょに伊勢参りに出かけることにした。ところが、三人の前に大きな川が。わらはみんなを渡そうと橋になり、炭が渡り始めるのだが、恐くて途中で足が止まってしまう。それを見て大笑いしたそら豆のお腹が…。『味噌買い橋』心優しい炭焼きの男は、ある日、町の味噌買い橋に行くといい話を聞けるという夢を見た。橋の上で待つこと5日目、炭焼き小屋の庭に宝が埋まっている夢を見たと、味噌屋の主人に教えられる。味噌屋は続けて男に、夢よりも地道に働くように論するが…。『猫檀家』掛けておいた和尚さんの袈裟が、朝になると下に落ちている。不思議に思った和尚さんが、ある夜、見張っていると、可愛がっていた猫が、袈裟を身につけて、どこかに出て行く。和尚さんがついてゆくと、猫は山の上のお堂に向かってゆく。そこには、猿や狐や狸が集まっていて…。『鳥呑み爺さん』餅に足を取られた一羽のヤマガラ。餅を取ってやろうとしたお爺さんは、うっかりヤマガラを飲みこんでしまった。すると、お爺さんのおへそから羽根が生え、引っ張るときれいな鳥の声が…。家へ帰ると、お婆さんも大喜び。二人はみんなに聞かせてやろうと、村人に聞かせると村人も大喜び。とうとう殿さまに呼ばれることになったのだが…。