あらすじ「あなたの大切な一日、私に下さいませんか」――三十五歳の会社員・楠木葉子は、父亡き後、母と妹を養ってきたしっかり者。結婚を考える恋人もいる。そんなある日、葉子は、帰宅途中、胸を刃物で刺されて死亡した。が、一年後、山の手線で別の女性の身体を借りて、この世に戻ってきた。葉子は恋人のことを気にかけながらも、母と妹が住む自宅へと向うが、そこで待っていたものとは・・・・・・。現代に生きる女性の揺れ動く心情を繊細に描く、切なく優しくサスペンスフルな傑作長篇。(解説・大矢博子)