待望の嫡男誕生からこっち、長月家は菊太郎を中心に穏やかな日々が続いていた。そんな折、隼人のもとに、南町奉行所定廻り同心・横山安之助の手下二人が殺されたとの報が届く。彼らは殺される直前、二年ほど前に死んだはずの盗人一味・品川三兄弟について探っていたという。どうやら、生き延びた次男の元次が新たな一味を結成し、また盗みを繰り返しているらしい。さっそく探索に乗り出した隼人だったが、蛇のような目をした男に「これ以上関わるとお子に会えなくなる」と脅されて――。江戸の闇を相手に隼人の剣が冴える、大好評書き下ろし時代小説長篇。