あらすじ品川宿の立場茶屋おりきでは、久々に七海堂のご隠居らの三婆の宴が催された。筍の三種盛り、甘鯛の桜蒸し、蜆ご飯、柚子の葛饅頭――と巳之吉の素晴らしい料理を堪能した七海は、女将のおりきに、近所に引っ越してきた足袋屋「雀隠れ」の夫婦の隠された過去を語るのだが……。深い傷を負った者たちが愛情に満ちた「おりき」に集い、生きる希望と力を得ていく、心に染みわたる書き下ろし大人気シリーズ、待望の第十八弾。表題作他「?花流し」「ひと夜の螢」「夕虹」の四篇収録。