あらすじ大晦日の彦蕎麦は、朝から大わらわ。そんな中、岡っ引きの亀蔵親分の義妹・こうめのお腹が痛み始めた。どうやら陣痛が起きたらしい。一方、「立場茶屋おりき」の旅籠では、お正月の準備に余念がない。おりきは、あすなろ園の幼子にお年玉をと思い、下駄商の天狗屋を訪ねたが、女主人のみのりが今晩夜逃げをすると言う――(「嫁が君」より)。天命をまっとうする者、新たな命を授かる者……料理が美味しいと評判の立場茶屋おりきは、温かく人々を包み込む。深い感動の輪を広げる、書き下ろしシリーズ、待望の十七弾。