あらすじ四月八日の灌仏会。品川宿にある立場茶屋おりきでは、子どもたちが賑やかに書を認めていていた。そんな折、「榛名のご亭主が息を引き取った」という知らせが、女将のおりきに届いた。おりきは参勤交代の津山藩を迎えると、素庵の診療所へと急いだ。“仲間は死んだ後も我が仲間”と考えるおりきは、墓の手配まで自らが動くのだった……。立場茶屋おりきは、沢山の涙を堪えつつ、明日への希望を照らしつづける――。大好評シリーズ第十一弾。