試し読みの通りすがり
そうか、死神って人を殺めるのではなく、
命の刻限を迎えた人の魂を
黄泉の国への引導を渡すお役目なのか・・・と、
これまで持っていた死神の解釈を上書きできました。
美しく描かれた景色の中で、
ゆっくりと穏やかに明け暮れしているお社の向こうの
人間の立ち入れない、現世とはかけ離れた世界。
初恋は叶わないというけれど、
そこで死神とヒトの娘との恋が成就して、
ひそやかに心を通わせていく姿が、
幸せなファンタジーとして描かれているのだと思うけれど、
死とあまりにも身近で切り離せない世界観での設定なので、
なんだか切なく感じてしまった。