東北在住作家が描く、震災の地で生きる人々
大学を卒業し、福島県の故郷の村へと戻ってきた聡子は、
村で生きる目標とパートナーを見つけた矢先、
東日本大震災に遭遇。
恋人は行方不明となってしまう……
汚染された村から避難し、
仮設住宅暮らしを余儀なくされながら
恋人を待ち続ける聡子。
季節は震災前と同じように巡り、
故郷も、思い出の場所も、美しいまま。
なのに、村へ戻ることはできない。
行き場のない怒りや悲しみを抱えながら、
それでも聡子たちは、少しずつ、前へと歩んでいく――
“被災地”で暮らし続けようとする人々の想いを、
あたたかなタッチで描き出すヒューマンドラマ。