絶滅危惧種の淡水魚・ニッポンバラタナゴ(ペタキン)の研究をしていた父の足跡を追って家出した中学生の少女カナは、大学生のレイとの出会いによって、大学の農学部で生き物の繋がりや遺伝といった生物学の話を聞く。それまで周りの人たちとうまく接することのできなかったカナは、生命が連綿と繋がっていく理由を教わることによって、自分がここにいる意味を知るようになる。
「見つけてくれて、ありがとう」ーー。
亡き父が生まれ育った奈良で生活することになったカナは、若かりし父が悩みながら苦しみながら、しかし、鮮やかにこの土地で息づいていたころの話を聞く。