「青木先輩…私、結婚するんです」青天の霹靂とでも言うべきか、鳩が豆鉄砲を食ったように唖然としてしまった。初めて会った時から想っていた希海ちゃん。その本人からそんな言葉を聞いたんだ…そりゃあそうなる。まあつまりは寿退社だ。本来なら祝福して送り出してあげるべきなんだろうが、それが俺には難しかった。それに、祝福できない理由はもう一つあった。結婚相手は俺の先輩の田中。昔、先輩であることを笠に着て散々俺をいびった最低野郎だという事だった。そんな奴が…なぜ俺ではなくアイツなんだ…!!俺の中の悔しさは、溢れんばかりの怒りと混ざり、ある考えを生み出すことになった。そう…力尽くで奴から彼女を奪ってしまおう…と。