「おはよっ!」いつもの通学路、後ろから駆け足の音と共にあいつの声がした。『中野美羽』俺の幼馴染で、たまに時間が合えば一緒に登校する…友達と妹の間の様な存在だ。そう…思っていたんだ、あの時までは。…それはある部活終わりの放課後だった。その日は部活の後輩の『伊藤』が久しぶりにうちに寄っていきたい、そう言っていたから家に招くことになったんだ。しばらく遊び、いい時間になると伊藤は帰っていった。…ふと、見知らぬスマホが置いてあることに気が付いた。それは伊藤のスマホだった。その時…魔が差した。好奇心に負けたんだ。そして俺は美羽と、伊藤と、何より自分自身の知らなかった部分を知ることになったんだ…