鬼束と元恋人を見て激しく波立つユキの心!
その人生でいいの? そのまま死んでしまっていいの?
敵対するヤクザの組長を単独で殺害し服役。25年の刑期を終え出所したヤクザ鬼束与(おにづかたすく)は故郷に向かう際に山で遭難し、妖艶な雪女に助けられる幻覚を見る。だが、その夜の出来事は幻覚ではなく現実、雪女は実在し「化生」と呼ばれる妖怪だった。雪女の名はユキ。東京で再びユキと遭遇した鬼束は彼女の協力を得て失踪した舎弟・月波次郎(つきなみじろう)と再会し衝撃の事実を知らされる。「組長を夢見て頑張ったことが間違いだったのか? 」落ち込む鬼束は50歳、取り戻せない時を思い黄昏れる。そんな漢にただ寄り添うことしかできないユキ。人間に惚れた化生は「正体を知られてしまったら殺せ!」という掟があることを知らされていた。避けるためには鬼束が裏切らないように自分の「虜」にしなければならない。掟を知らずに己の冤罪を晴らすことを決意する鬼束。すべてはユキのために……