あらすじ親のため、兄弟のため、片田舎から吉原に売られてきたよし乃。純粋で朗らかなよし乃に、秘かに恋心を寄せる女衒見習いの辰也。――「たとえ血縁だろうと恋慕だろうと、男衆は女郎と情を通じてはいけない」。吉原の固い掟に、辰也は本当の気持ちをよし乃に打ち明けることはできない。一方、よし乃はいつか田舎へ帰り、大きな枝垂れ桜を見ることを夢見ていたが……『夏散華』。艶やかに咲き、儚く散る、花街に生きる遊女たちの愛と運命を描く7編のストーリ―。