【フルカラー121ページ】災禍は、日本全土へ。200X年。東北で発生したウィルスパニックに巻き込まれた中澤誠は、家族や友人、当日の記憶を失った。天涯孤独の身となってしまった誠は、数年の施設生活の後、年上の幼馴染みであり、自衛官だった主人公の父親の部下で、災害時に自分を助けてくれた日向夏都に引き取られ、東京の渋谷に移り住んでいた。「大切な人々の喪失という現実をいまひとつ実感できない」その事を朧気に気にしつつも、平穏な学園生活や、夏都との同居になじんで行く。災害から4年後の8月新聞部に所属する誠は、運動部の合宿取材のため、同じ部に席を置く親友の出渕と、上級生の南彩月と共に、瀬渡内海の島へ泊まり込みで出かける事になった。仲の良い下級生の越智茜梨も、チアリーディング部の部員として参加するため、同行するらしい。誠の、茜梨への秘めた思いが膨らむ中…「あの」災害が、再び忍び寄る。