激動の幕末を、流れる雲のようにサラリと生きる“大江戸楽天人伝”。
▼第1話/妻(おんな)の操▼第2話/雑踏小春日和▼第3話/初恋橋▼第4話/玉の輿▼第5話/意地は男よ情けはおなご▼第6話/信州佐久の恋太郎▼第7話/素泊まりさん▼第8話/春の少女▼第9話/はぐれさん●主な登場人物/浮浪雲(品川宿の問屋場「夢屋」の頭。飄々とした遊び人)、おカメ(雲の妻。夫や子供たちを大きな愛で包む女性)、新之助(雲の息子。真面目な少年)、お花(雲の娘。お転婆だが、なかなか鋭い)●あらすじ/夫婦喧嘩で夫を流血させた妻や、夫に石を投げつけたいと思っている妻。近頃江戸の町では、そんなひどい妻が増えているとか。そんな世の中に「おしどり夫婦」といわれるほど仲の良い夫婦がいたのだが、不幸にも旦那さんが急逝してしまい…(第1話)。▼おカメとお花が、年の瀬の泉草寺六百年祭にやってきた。水芸や抜刀術など、お祭りならではの出し物を見て回っていたのだが、人混みだけにスリが心配。財布の無事を確認して弁当を食べようとした時、理由アリの女性に出会うのだが…!?(第2話)●本巻の特徴/玉の輿を夢見る少女と、人並みの幸せを願う少女がたどる数奇な運命。堅気の少女に惚れたならず者の一大決心。離縁した夫婦が再びよりを戻すまでの紆余曲折…。それぞれの悩みを抱える人々を、浮浪雲が優しく導く人間賛歌全9編!●その他の登場人物/欲次郎(「夢屋」の番頭。実務に長けたやり手)、渋沢先生(博学多才の隠居老人。新之助らの良き相談相手)