私と夫と夫の彼氏 6巻

読んでいてえぐられる感があって苦しくなる、のに先が気になって読んでしまう。
読むのを止められません。みんな幸せになる形は見つかるのだろうか。

無料の５巻まで読みました。面白くて一気に読み、絵も綺麗だし、読みやすいし、ストーリー展開も秀逸だと思います。ただ…

伊奈君は、ポリアモリーな訳で、それはいいんだけど、その彼の恋愛対象である二人は、主人公はごく普通の恋愛は一対一で異性、そして夫が大好き。

夫は昔から生きづらさを感じつつも、結婚後にゲイであると確信。でも、彼もまた、恋愛は一対一で、伊奈君が妻に惹かれることには、耐えれない。

つまり、ポリアモリーの伊奈君と、そうでない二人では、どう考えてもハッピーエンドはないわけです。

主人公と夫が、ポリアモリーにならない限り、誰かがずっと傷つき続ける訳で…

だからって、伊奈君がずっと自分を変えれないのと同じで。主人公と夫も、私も僕もポリアモリーに！なんて簡単に変わっちゃったら、それはもう、おとぎ話なんですよね。

しかも、そうなっちゃうと、伊奈君が主人公を好きになったきっかけである「変わらなくていい」って言った言葉が嘘になっちゃうじゃないですか。

どう頑張っても、３人が一緒に居て、幸せにはなれないのが最初から分かってるお話だし、それをもし最後は３人でハッピーエンドとなったら、３人の恋愛観と人間性崩壊なので、全く意味のない話になりますしね。

結末を知りたいけれど、お金を出してまで読みたいかと聞かれると、うぅん…って感じなので、買わないけど、この先も面白く読める作品でありますようにという、期待を込めて星4つ。

現代物で結婚とか同性愛とかがテーマだとどうしても自分の人生と並べてしまいがちだけど、物語としてはとてもおもしろい。

教師気質できれいごとを貫く妻、自分の本心と親の押し付けてきた価値観の間で罪悪感に苦しんで死にたくなる優しい夫。
他人に理解されない愛し方しかできずに自分が傷つくことを選んだ夫の恋人は妻のことを何年も好きでいる。
3人とも自分の醜いところすべてを自分で受け止められないから同居という提案を受け入れてしまう。
小説のような読み応えでした。全部は読んでいませんがよかったです。

ないわ〜とか、私ならこんなことありえないとか共感ゼロなんて視点で読んでしまうと途端につまらなくなる作品だと思いました。

読みながらドラマ『同窓会(1993)』を思い出しました。
自宅の玄関扉前で不倫相手とキスって嫌がらせとしか言い様がないけど、ご近所に見られていたら住みづらくなるし・・・。
専業主婦か働いているかで選択が違ってくるだろうけど、主人公に同感はできないかな？

一緒に住んだ所で何か結論が出るのか全く見えないと思うんだけど、
とりあえず、自分の立場なら旦那の顔も見たく無いかな。