大学2年の千田原一花は、病によりいつ死ぬともしれない
不安定な日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女は想いを寄せていた元哲学講師・萬木昭史と偶然再会。
この機会を逃すまいと熱烈なアプローチをするが、
彼もまた不治の病を抱えていたことを知る。
一花との距離を置こうとする先生。
それでも自身の病を隠しながら交流を強く望む一花。
しかし発作で倒れて入院したことで
余命わずかであることを先生に知られてしまう。
動揺した一花は先生との別れを決意するが
孤独に揺れる彼女の想いを受け止めたのは、
生きる希望をなくしていた先生だった。
本音をさらけ出したふたりの絆は深まり、
「今後やりたいこと」について語り合う。
だがそれぞれの命のタイムリミットは着実に近づいていた…。
はかない生を歩む一花と先生の、束の間の恋の物語―――完結。