この街に微かな光を照らすのは“天使”か“悪魔”か――!?「暗天街幻想奇録」から二年半、渾身の筆致で誘う暗天街のさらに深い闇!暗天街――人間と妖が共存する閉ざされた島。孤島であり、ひとつの町。遥か昔、世界には陰の気である妖(あやかし)が溢れた。当時の祈祷師はこの島にすべての妖を封印し、結界を張った。そして世界は平和となる。妖とともに閉じ込められたこの街を除いては……。外界との交信も途絶え妖の巣窟と成り果てた街は法も秩序も整っていない貧困な地域も珍しくない。その地域には“身売り”と呼ばれる子供たちが存在していた。身寄りも行き場もなく、運に見放された子供たちが“教会”と呼ばれる場所に引き渡されたり、売られたりしてくるのだ。そんな少年少女たちには、命が尽きる寸前に頭に赤い光の輪が現れるという。それは、深淵を灯す希望の光なのか――!?「暗天街幻想奇録」の衝撃から二年半、生命の終焉、復活、輪廻を描いたシリーズ第2作。それは、優しくも悲しいセレナーデ(夜曲)。