ミステリー・ホラーの巨匠・曽祢まさこが贈る極上の一作。今回は、なにげない日常の陰に潜む恐怖と心温まる友情を描く、大ベテランならではの作品をお届けいたします。
あなたは同級生の顔と名前を思い出すことが出来ますか? 愛川には、奇妙で衝撃的な同級生の西川がいる。愛川は印象深い西川の名前を一生忘れないだろう。それなのに、愛川は西川の顔を思い出せない。いや、愛川だけではない。他の同級生も、先生さえも彼女の顔を思い出す事はないだろう。それは高校一年の夏休み、図書館からはじまる。偶然に落ちた消しゴムを拾ってくれた少女が西川だった。彼女は学校で隣の席にいるのだと言う。しかし、愛川には隣の西川の顔が思い出せない。なぜ、こんな事が起こるのか!?