妻の13回忌のため、裕次郎(父)と、かなえ(娘)は、夏休みに田舎の母方の父の家へ帰省する。裕次郎の妻は、かなえを出産してすぐ息を引き取っていた。かなえは、『自分が原因で母親が命を落とした』と思っているので、祖父が自分を受けて入れてくれるのか心配だった……。その日、祖父の精一杯のもてなしを受け、その心配も杞憂に終わり安堵するかなえ。あまり酒には強くない裕次郎も、自分でも過去に覚えがないくらいの量を飲み、やがてその意識は薄らいでいった……。アルコールで朦朧とする意識の中、裕次郎は眩しさを感じる瞼を薄らと開く。耳に入ってくるのは、呻くような声。薄く霞がかかったような視界の中、飛び込んできたのは異様としか言いようのない光景だった……。