幼い頃、祖母はよく言っていた。自分からは男性を誘惑するフェロモンが出ていて、若い頃はそれはもうモテたのだ、と。そして、アタシは若い頃の祖母にそっくりだ、と。モテまくったなんて言ってるが、結局はただのビッチだ。祖母みたいにはならない…そう決めたアタシは誰よりも強くなった。族の総長にまで上り詰め、男相手の喧嘩にも負けない。そもそも、ヤンキーの女なんて見向きもしないだろう。―そう思っていたのに、信頼していた舎弟に襲われ処女を奪われた日から、アタシの身体は男を誘うフェロモン体質になってしまった。喧嘩になら、「男」になら負けないはずなのに…欲情した「オス」を目の前にすると、アタシは抵抗すらできなかった。