夫婦の再構築の物語
専業主婦をしている妻に対してモラハラ気味でしかも会社の部下と浮気していて、大事な結婚記念日まで浮気ですっぽかし。薄々浮気にも気付いている主人公ですが、夫にも言われる様に「どんくさい」自分に自信がないが故に夫を問い詰めることさえできずにいて。
そんな時、結局一人ぼっちで結婚記念日を過ごし、レストランで酔っ払ったところを介抱して送ってくれた美大生の青年と知り合うことで、少しずつ自分と夫の関係がこのままでいいのか目を向けていく。
浮気されて、傷ついているところへ持ってきて朝帰りの夫にケーキを捨てられ「お前どんくさいな」の一言は辛くて読んでいて泣けてきました。
この主人公は美大生にその後いい相談相手になってもらい、前向きに夫婦再構築をしていく、という、ぬるいと言えばぬるいお話でした。
私としては夫にもっときつい制裁が降りて欲しかったところ(できれば離婚され仕事も信頼も失って痩せ細って禿げて病気になる)ですが、この物語に出てくる登場人物達はほんわかした絵のせいか、どこか浮世離れしており、きつい不倫漫画とは一線を画した大人の絵本の様な仕上がりになってます。
現実的に言えばそんな都合良くいい感じの美大生が登場して癒してくれたり主婦に惚れたりしませんし、現実的に言えば不倫している夫が反省したり、とか浮気相手がサクッと諦めてくれたり、とか、いやいや、もう一悶着、ふた悶着あるでしょ?普通。
なのでラスト海岸で再プロポーズまでの件は浸かってたら完全に風邪をひく32℃のぬるい風呂なみで消化不良ですが、それでも5年後子供を持ち幸せそうに暮らす主人公を見てよかったね、と彼女のために喜ぶことができました。
私は不満ですがね。笑