滅亡寸前の故国のため、人質として敵国・ファルークに嫁がされたラスカリスの皇女イレーネは、異国の地で妃に迎えられたその夜に、国王ジャファルに斬りかかる。「服従か、それとも死か?」――王位に就くために残虐非道の限りを尽くしてきたと噂されるジャファルにそう迫られるも、自分を見捨てた祖国への恨みから「殺せばいいわ」と乱暴に言い放つイレーネ。が、願いは叶えられず、イレーネは押し倒されて死を免れる。一方ジャファルは、自分を恐れもせずに堂々と対峙するイレーネの姿に、これまで自分にすり寄ってきた女どもとは全く違う魅力を感じ始める。そんな中、ファルーク王国の奥宮殿(ハレム)へと半ば無理やり案内されたイレーネの前に現れたのは、ジャファルの母后であり奥宮殿で絶大な権力を誇るアストレアだった。イレーネを品定めするかのようなアストレアの振る舞いに毅然と立ち向かうイレーネだったが、不穏な空気の中、ジャファルが助けに現れる。反発しながらもジャファルに少しずつ心を開いていくイレーネ。しかし、イレーネは、誰にも言えない過去への後悔を抱えていて――?
【分冊版『流離の花嫁』5~8巻収録/合冊版だけのスペシャル描き下ろしページも必見☆】
講談社X文庫ホワイトハートの大人気ベストセラーを待望コミカライズ!
「俺の妃になれ。さもなくば永遠の眠りを」―――強引なまでの禁断アラビアン・ラブ!