明治政府の中央集権体制が進む中、新制度実施で甘い汁を吸おうとする藩の役人に反撥した吉之助は、自ら薩摩藩御用を降りた。そして娼妓解放令で行き場を失っていた月乃屋の女郎達を請け出し、彼女たちをホステスに使って川内に天狗酒場…今で言うビア・ガーデンを開く。酒場は大盛況になるが、ホステスの一人・お富美の兄・生駒新十郎が、征韓論に敗れて野に下った西郷隆盛の暗殺を狙っている事を知った。吉之助の説得は失敗。しかしお富美を外国に売ろうとしていた長崎の女衒が店に乗り込んできた時、佐意子の危機を新十郎が救う。吉之助は、女衒達を切り捨てたのは天狗の仕業だと警官に告げ、生駒兄妹を密かに逃がした。