エルトゥールル帝国の第二宰相の娘でありながら、継母たちに冷遇されていた少女セルマ。一時の自由を求め、身分を隠して町の珈琲館で母の形見のウードを弾き語りしていたある日、政変の秘密を偶然耳にしてしまい、謎の男に拉致されてしまう。3ヵ月前に皇帝(スルタン)が崩御したばかりの混乱の中で、セルマをスパイだと疑い、監禁したうえに口づけを奪おうとした男・ラフィーク……その正体は、最年少で帝国の第五宰相にまで昇りつめた若き為政者だった。信念を胸に、命を賭けて政変を成そうとする熱きラフィークの眼差しに、囚われの身でありながら心惹かれてゆくセルマだが、彼の口からこぼれたのは、父・エンヴェルの名だった――。
講談社X文庫ホワイトハートの大人気ベストセラーを待望コミカライズ!
時を超えた異国・オスマン世界を舞台に贈る、若き為政者とのヒストリカルロマンス!