呂光の眼前にトリップした東太郎(あずま・たろう)は、目の前にいるこの男こそが、亀茲国を滅ぼし、鳩摩羅什を破戒させ、王女を殺させた張本人であることを知る。一瞬の隙をついて呂光軍の兵士から奪い取った長槍を手に、呂光に立ち向かう太郎だったが、簡単にいなされてしまう。そして呂光の口車に乗り、これから雨が降るか、降らないかで、太郎と羅什の命を賭けることになってしまう。雨が降れば太郎の命が、雨が降らなければ羅什の命が失われてしまうのだが……。釈尊(ブッダ)の究極の教え《法華経》を漢訳し、中国に広めた鳩摩羅什(クマーラジーヴァ)の自らの使命に生き抜いた姿を描く著者入魂の歴史ファンタジー、ここに堂々の完結!!