少年・鳩摩羅什(クマーラジーヴァ)の試練の旅を支えたのは、母子(おやこ)の絆―。釈尊(ブッダ)の究極の教え≪法華経≫を漢訳した「名翻訳家」の原点に迫る!! 9歳の鳩摩羅什(くまらじゅう)に襲いかかる、試練の数々―!! 留学を巡り自分自身の出生の経緯を知ってしまった羅什。母の耆婆(ぎば)が自分との修行の旅を計画していることを知るが、重篤(じゅうとく)の父を一人にはできぬと幼い心を痛めていた。それを感じた父・炎は「自分自身の使命を果たすことこそ、一番大切なこと」と、わが子の背中を押す。羅什母子の修行の旅出発の噂を聞きつけたホラ屋のホジョーは、危険な芽を事前に摘み取るべく、母子に先がけて太郎らとともに旅に出発する。ともに同じ旅路を往くことになった什と太郎。しかしその前途には、想像を絶する苦難が待ち受けていた……。