8年前、東京都間皿駅の駅前広場で起きた毒物テロ事件。その被害に遭い、8年間もの長い昏睡状態に陥っていた馬込リカ。女子大生だった彼女は、目覚めたら28歳の誕生日を迎えていた。タイムスリップ感に戸惑うリカ。家族にも本当の気持ちを打ち明けられなかったが、同じ被害者で、同様に昏睡状態から目覚めた和田和人と出逢う。
和田は、真犯人とされている陣馬真の友人で、自らも被害に遭いながらも陣馬の無実を信じていた。事件と同時に命を落とした陣馬の過去を追ううちに、リカも彼の犯行の動機に違和感を覚える。
世間では既に風化してしまっている「過去の事件」を追う難しさを感じながら、和田が少しずつ思い出していく事件当日の記憶とともに、少しずつ真実に近づく二人。
自分たちの担当医師・三ノ塚を疑っている雑誌記者・小川と協力して、和田とは離れて事件を調べていくことを決めたリカ。しかし、和田は後遺症を発症し、再び昏睡状態に陥ってしまう。さらに、カギを握るはずの人物・三ノ塚も失踪した。
何度も病室を訪れ、返事をしない和田に話しかけるリカ。しかし、目を覚まさない和田に、リカの心は次第に変化しはじめていく――。
少しずつほどけていく時間に、再び真実という色をつけてゆくサスペンスドラマ、大団円の完結巻!