二人の子供も独立し、清乃さんはだんなさんと二人ぐらし。きれいずきの清乃さんは毎日おそうじ家中ぴかぴか。大きな仕事といったらば酔っぱらいのかいほうぐらい。そんな酔っぱらい――だんなさんがある日連れてきた黒い子猫。のりをうまそうに食べるので「のりすけ」と名づけられ、そして清乃さんの受難がはじまった――。(「其の一 黒猫のりすけ」より)老若男女、洋の東西問わず、いろんな人々と猫のいる風景。朴訥なタッチで描かれる掌編の数々に、猫好きならずとも思わずほんわかしてしまうこと必至。さまざまな猫の街角物語――。