紐倉は存在しないはずの右腕の幻肢痛に苦しんでいた。
高家に紹介された、EMDRという心理療法の専門医・草壁の治療を受けることにした紐倉。草壁とのセッションは、過去として定着できずにいる記憶を探り、その記憶を過去として定着させるというものだった。
紐倉は記憶をさかのぼりながら、入谷という男について語り始める。
紐倉の運命を変えた入谷との出会い。その出会いから、シリーズ全編をとおしての謎である右腕喪失へと過去が語られてゆく。
知のフロンティアを舞台に数々の謎を描いてきた『インハンド』、最終巻では紐倉自身の謎と向き合う!