山で出逢った二人が織りなす、登山恋記。
夫の遺した“山日記”を辿り登山する、麗しき未亡人……
“大切なもの”を失った女と、“大切なもの”に出逢った男の
センチメンタルで雄大な登山恋記。
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風の音、虫の動く音、沢を流れる水の音、心臓の音――
「山に登っているときだけ、生きている心地がする」と山に魅せられ、山を愛する男――加賀山峻(かがやま しゅん)。
彼がある日出逢ったのは、山には似つかわしくない風貌の独りの女性、千堂 椿(せんどうつばき)だった。
見るに見かねて同行した加賀山は、彼女が”山を登る理由”を知ることになり…!?