月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
この物語は、そんな「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの物語…。
月白中学1年4組、内山礼子(うちやま あやこ)は地味で内気な女の子。
むじなに名前を覚えてもらった事がきっかけで、いつも「むじな」について回るが、今度はやる事なす事失敗ばかり。
そんなある日、失敗に落ち込む礼子を見た永森樹美子(ながもり きみこ)、山野辺水葵、(やまのべ なぎ)、小羽石旭子(こばいし あきこ)の3人は気分転換にと礼子を買い物に誘う。
地味な格好で樹美子の家に現れた礼子だが、眼鏡を外して旭子がメイクをしたところ思いがけない大変身!
性格まで明るくなった礼子は、はしゃぎながら3人と買い物に出かけるが、そこにたまたま、むじなが通りかかる。
礼子と気付かないむじなに礼子は一計を案じ!?
その他、クラスメイトの赤羽正幸は生意気な妹の那々を少し脅かすよう、むじなに頼むが、脅かされて飛び出した那々の意外な本音は?…「お兄ちゃん」、行方不明になった山中先生の愛猫チャボ…心配するむじな達の元に意外な所から連絡が入る…「幸せな場所」、クラスメイトの女子を襲ったとの誤解を受けクラスで孤立する圭司。落ち込む圭司を元気付ける為礼子が再び変身!…「レイ子ふたたび」など、等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!
みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。
小山田いく先生の当時の単行本コメント
『何年か前、プチトマトのの苗を買って植えました。それから毎年、落ちた種が自然に芽を出し、たくさん実をつけています。
その実は、買った年にできた実ほど、甘くも柔らかくもありません。
でも店で売っているどのプチトマトより、トマトらしい味がします。
たぶん、むじなって、そんな少年です。』