【本作品は「美しの華の浮世に」「金のくちづけ 銀の蜜」を再編成した作品集です。】銀色の髪の美しい女…。おまえは誰だ…!?私は件(くだん)。件?件とはなんだ?件とは人ではない。人ではない?では、なぜ人の姿をしている?なぜ美しい女の姿をして、ここにいる?あなたを愛して…あなたに愛されるために私は女の姿になった。1159年、平治の乱で非業の最後を遂げた源 義朝は、死の前に未来を予言する件を殺した。勝者の平 清盛の目前で、件は生き返り、清盛を主とした。清盛の孫、資盛は、この年、数えで10歳となり、この戦が初めての出陣だった。血にまみれて倒れている死んでいるはずの女が、目を開き、音も無く立ち上がった。それはこの世のものではなく、だが、この世のどんな女よりも美しい魔性の件との出会いだった。そして!?