季節は廻り、聡たちにも卒業の季節がやって来た。
父からデザインスクールへの進学の許しを得た聡、自らも専門学校へ進学し、聡の傍に住むことを決めた志保里、親戚のスナック「赴嶺夜(フレイヤ)」を継ぐことを決めた夕子、その中で、長尾の進路はまだ決まらずにいた。
そんな時、一人の女性が長尾の元を訪れる。
そしてそこから友幸の秘められた過去が少しずつ明らかになってゆくのだった…。
聡たちが自らの道を歩き始める一方で先の見えない友幸。
彼の軌跡(ローカス)はどこに向かって行くのか…。
自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジーの最終巻!
珠玉の短編読み切り作品『ヘスペリス・ブルー』『ドリュアス エン』『雪のポックル』も収録。
小山田いく先生の当時の単行本コメント
『「星のローカス」完結です。でも未だに気になることがひとつあります。「長尾のやつどこまで行く気だろ?」、「もう赴嶺夜(フレイヤ)に戻ったろうか?」等々、長尾のことばかり頭に浮かんでくるのです。
全35話。たった35話でした。けれどまぎれもなく三年間でした。空ばかり見てすごした気持ちのいい三年間でした。』