カーテンが掛けられ暗く汚い室内で、子供は
「音を立ててはいけない」という親の言いつけを守っていた。
痩せ細った体で、母親以外の人間を知らないまま。
「隣の部屋から子供のような声が聞こえる――」
通報を受けた児童相談員・長谷部亮子は現場に向かったが、
誰に聞いても「子供が存在する」という証拠は得られない。
玄関のドアを破ればすぐに分かるが、法治国家の中では法に守られた壁と同じ―――…。
虐待を受けた子を救え!
「児童福祉司」という職業をリアルに描いた衝撃の問題作!
※本作は「別冊家庭サスペンス」(2016年8月号)等に掲載されていた作品を電子配信用に改題・再編集したものです。