泥酔した夏目(なつめ)が目を覚ますと、隣には芥川(あくたがわ)と散らばった衣服。「全然憶えてないの? 昨日のこと」芥川のねっとりした視線から逃げるように部屋を立ち去るが、首筋に刻まれたキスマークで昨晩何が起きたのかは瞭然だった。以来獄本(ごくもと)への罪悪感から仕事に支障をきたし、いつもの重版祝いの手紙も思うように筆が進まない夏目。淫らに仕込まれ、快楽に馴れきった身体は獄本以外の男を咥えこみ悦んでしまったのか…。悩みながら敬愛する作家の淫猥な文章を目で追ううち、たまらず夏目の指は後ろへと伸びていき――…