信州は長野県小諸市の芦ノ原中学校。
2年7組の晴ボンは恋人のマッキーこと迎麻紀、同じクラスの市野清文、坂口光明、そして市野の恋人青木理美たちとにぎやかな学生生活を送っている。
坂口の幼馴染で晴ボンに想いを寄せる内気な女の子、日生香苗は晴ボンの誕生日にプレゼントを送ったことがきっかけで皆の仲間に入る。
次第に明るくなってゆく香苗だったが、ある日、クラスの肝試しで同じクラスの桜井光代がおどかされた拍子に「坂口クーン!」と叫ぶのを聞き、坂口が自分から離れて行ってしまうのではと怯えて再び自分の殻にこもってしまう。
香苗のことを心から思い、あえて突き放す坂口。
その時、理美が取った行動は…!?
その他、山に惹かれる2年7組五島かがりの兄、猛と晴ボンの担任、正木の友情を描いた「妖精館(アルフヘイム)」。
晴ボンとマッキーの夏休みの工作に秘められた優しさになごむ、「ならんでいます」。
香苗をめぐる坂口とクラス1のイタズラ者、雅一郎の対立を描いた「あざやかな紅葉たち」など、「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティーの第3巻。
読み切り作品『三角定規プラス1』も収録。
小山田いく先生の当時の単行本コメント
『この巻末に収められた「三角定規プラス1」が完成した直後、連載の依頼が来て、しばらく不安でたまらなかったことを、何となく思い出しました。
なにせ、一本仕上げるのに、一か月かかっていたころのことでしたから………。
なのに、そのボクがいまだに毎週休みなくかいていられるなんて……自分の力って、やってみるまでわからないものですね。
そしてこれからも、臆せずに、自分の可能性を追っかけてみたいですね。』