全巻(1巻 完結)

天動説の終わりに

丁寧で繊細な線で描き出す夏村つぐみ・珠玉の作品集。　考古学を教える大学助教授の須藤は、遺跡のことだけを考えて生きていきたかった。しかし、女子高校生との間にできてしまった一人息子・翔太を押し付けられシングルファーザーになるわ、大学の生徒達は授業にまったく聞く耳を持たないわ…。どうせ俺の人生は好き勝手に転がっていく、まるで宙（そら）が勝手に回る天動説の中にいるみたいだ…。投げやりな人生を送っていた須藤が、研究室の生徒・瀬川や息子の翔太と向き合い、自分自身を見つめ直していく。その他、夫婦のあり方、関係を描いた『ドア・スコープ』『淋しい旅人算』の３作品を収録。あなたは夫の本当の姿を見ていますか…？　それぞれの夫婦のストーリーをぜひ読んでみてください。