「それなら、俺が君を殺してあげる。だから、君の絵を描かせて――」
大学生の祐樹は、有名な画家である父の代わりに絵を描く"ゴースト・ペインター"。自分の絵を否定され、いつからか生きる意味さえも見失った祐樹は、父の言われるがままに筆を動かし息を潜めるように毎日を送っていた。
そんなある日、廃屋で金髪碧眼の青年に出会う。儚くも美しく涙を流す横顔に気をとられた次の瞬間、首筋に噛みつかれ血を吸われるが、とてつもない快感に頭は真っ白になり抵抗もできず……。
自分の"色"を失った青年と、
生きることに絶望した不老不死のヴァンパイアの、
切なくも鮮やかな日々。